国によって違うハンドジェスチャーの意味
ハンドジェスチャーは、コミュニケーションを取るとき、特に外国語で話す場合になくてはならないもの。自分が言いたいことを理解してもらい、伝えようとしていることを裏づける最高の方法です。また旅行者なら、現地の言葉がわからない国を旅するときの非言語コミュニケーション手段として使うことも多いでしょう。
でも、すべてのハンドジェスチャーがどの国でも同じ意味を持つわけではないので気をつけて!オンライン英会話で学ぶ機会にいろいろなハンドジェスチャーの意味を知って、みんなの一歩先を行きましょう。
異なる文化でのジェスチャーの意味がわかっていないと、誤解や侮辱、さらには暴力にさえつながりかねません。でも、毎日のコミュニケーション習慣の一部になっているハンドジェスチャーだからこそ、間違いも犯しやすいものです。
ともに米大統領だったジョージ・W・ブッシュとリチャード・ニクソンは、現地では極端に意味が違うことを知らずに、アメリカでよく使われるハンドジェスチャーをしたために、はからずもオーストラリアとブラジルの聴衆を侮辱してしまったことがありました。
次の休暇旅行や出張のときにうっかり誰かを侮辱してしまわないよう、便利なジェスチャーガイドをチェックしておきましょう。
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親指を立てる
親指を立てる動作は、おそらく何千年もの時を超えて使われ続けてきた、最も一般的なハンドジェスチャーでしょう。承認や同意を表すこのシグナルは、欧米文化ではわかったという意味で、あるいはすべて計画通りに進んでいるという意味で、当たり前に使われています。
広く普及しているため、絵文字として常用されたり、SNSやカスタマーサービスの評価で満足感を表す手段として日常的に使われたりしています。
ところが、イスラム諸国やアジア諸国の多くでは、このしぐさはひどい侮辱ととらえられるのです。オーストラリアでは、すべて問題なしということを意味するジェスチャーですが、立てた親指を上下に動かした場合は、真逆の侮辱の意味に変わってしまいます。
さて、親指を下げるジェスチャーもアメリカでは普通に使われますが、他の多くの国ではそれほどでもありません。これは明らかに「親指を立てる」の反対の意味なのですが、他文化では非常に無礼で傲慢なしぐさと受け止められます。
「勝利(Victory)のV」またはピースサイン
これもかなり普遍的なハンドジェスチャーです。1960年代以前は、主に「勝利」を示すために使われていました。ベトナム戦争とヒッピーの時代に、このサインは平和を意味するようになり、今では一般に「ピースサイン」と呼ばれています。 けれども、米国以外では、手のひらの向きによって大きく意味が変わる国も少なくありません。
このピースサインは、手のひらを内側にしてオーストラリアの群衆に向けて出したことでジョージ・W・ブッシュがちょっとしたトラブルを引き起こした、とんでもない侮蔑のサインでもあったのです。 手のひらを内側に向けるVサインは、イギリスや南アフリカでも侮辱と考えられています。
OKサイン
人差し指と親指で輪っかを作り、他の指を上に伸ばすOKサインも、アメリカや英語圏のほとんどの国でかなり一般的なハンドジェスチャーで、すべてが順調に計画通り進んでいることを意味します。
また、ダイバーは、万事問題ないことをダイビングパートナーに示すためによくこれを使用します。 ところがこのジェスチャーは、リオ・デ・ジャネイロで待ち受けていた大勢のブラジル人に向けて示した後でリチャード・ニクソンが思い知ったように、ラテンアメリカでは非常に無礼とみなされており、ブラジル人はブーイングの嵐でこの挨拶に応えたといいます。
フランスでもこれは侮辱の印と考えられています。それからオーストラリアでは「ゼロ」を意味し、ニュージーランドではこのしぐさをする者は基本的に怠け者と見られます。
「おいで」ジェスチャー
米国その他の英語圏の国々では、人差し指をくるりと曲げる動作は誰かをこちらへ呼ぶ意味で使います。また映画などでは、男性を誘惑する手段として女性の登場人物によってよく使われます。
ですが、他の国では、このしぐさをドッグコールと呼ぶことでもわかる通り、人を呼ぶために使うべきものではありません。フィリピンでは最も攻撃的なジェスチャーの一つであり、逮捕されることや、罰として指を折られることすらあるのです。日本人もこれを無礼と受け取ります。またシンガポールでは、このジェスチャーは「死」という意味で使われます。
コルナサイン
人差し指と小指を上に出し、中の指2本を手のひらに向けて曲げるこのジェスチャーには、多種多様な意味があります。 ハードロックバンドやそのファンは、過去数十年にわたって、これを承認や喜びの象徴としてきました。
ところが多くのヨーロッパの国では、これは悪魔の印です。一方、ヒンドゥー教や仏教では肯定的なサインとされています。 イタリア、ブラジル、キューバ、スペイン、ポルトガルになると、このサインは、配偶者が浮気をしていることを示すために使われます。
おもしろいことに、これは別名「ロングホーンズ」として知られるオースティンのテキサス大学を表すサインでもあります。スポーツイベントなどで、「Hook’em Horns(角で掛けろ)」という意味で使われているのですね。
いろんな意味で、世界は「狭く」なりつつあります。人々の移動性は過去のどの時代よりもはるかに高くなっています。出張も個人旅行も増えました。さらに、SkypeやGoToMeetingなどのプラットフォームを使ったバーチャル会議やミーティングも、日々のビジネスライフに欠かせないものとなりました。
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これは、異文化の人々とコミュニケーションを取る機会がどんどん増えていることを意味します。ですから、旅行中に他人の気分を害さないようにする心がけは大切です。
仕事や遊びで外国へ行く前に、必ずそこの文化、特に非言語コミュニケーションといった習慣についてちょっと調べてみるというのは、賢明な時間の使い方といえるでしょう。楽しく生産的な旅行と、それよりはるかに不快な旅行との明暗を分けることになるかもしれませんね。
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