【英文法】直喩(similes)と隠喩(metaphors)


【英語を学ぶことについて】

ときどきレッスン中に、恐怖で凍りついてしまったような生徒たちを目にすることがあります。

彼らは、勇気をふりしぼって教室に入ってきたものの、言葉を失ってしまったように感じ、何も言えない状態になってしまっているのです。

同じレベルの生徒たちは、楽々と授業に参加できて、言いたいこともはっきりしている時もあるのになぜでしょう?

人には、急に進歩したり、ひらめいたりする瞬間があります。

その時、あなたはもう無知ではなく、暗闇をさまよったりすることもなく、英語で効率よく意志疎通を図れる人になっているのです。

英語を学ぶということは、単語や文法を学ぶだけのものではありません。

それ以上に、人間同士が理解し合う方法を学ぶことが大切です。人々が話すときは、いつも直接的に物事を言葉にする訳ではありません。直喩隠喩など、創造的な言葉を使って会話するのです。それは、日本語でも一緒ですよね。

一度その言葉に慣れてしまうと、直喩隠喩は会話を豊かにし、新しい表現なども学べますが、生徒たちにとっては、言葉通りに訳してもその意味が表れてこないので、本当にこの意味であっているのかなぁと苛立たしかったりします。

けれども、少しずつではあっても、ネイティブスピーカーとの会話のレッスンに参加することで、こういった隠喩などを会話の脈絡で聞き取れるようになり、意味が理解できるようになるものです。

こちらの記事もどう?  – 【英文法】前置詞:英語で前置詞を正しく使えますか?

【直喩】

直喩は、‘as’  や ‘like’のような単語を使って、直接二つの事柄を比較するときに使われる表現です。ですから、なにかが難しいときには、“learning English is like wading through toffee” と言うことができますし、簡単なときには、“smooth as silk” のように言えるのです。直喩は、さまざまな状況で使えますし、言葉に豊かさや、より深い意味をもたらします。

【隠喩】

隠喩の場合は、比較が明示的ではなく、暗に示されているので、聞き手や読み手は、少し頑張ってその意味を探らなければいけません。例えば、“Jet black tendrils encased her face.” のような表現があります。

クリエイティブライティングでは、隠喩がよく使われます。例えば、ジョージ・オーウェルは、“Advertising is the rattling of a stick inside a swill bucket“ と書いていますし、プルーストはもう少し明るい調子で、“Let us be grateful to people who make us happy they are charming gardeners who make our souls blossom.” と書いています。

【よく使われる直喩と隠喩】

時には、隠喩があまりにも自然で、その隠喩が、“All the world’s a stage” や “You are the sunshine of my life”“Time is a thief” のように、日常表現になることがあります。けれども、直喩や隠喩が使い古されてしまうと、“She is as old as the hills”“Every cloud has a silver lining.” のように、陳腐な台詞になってしまう場合もあります。

英語を勉強するときには、よく使われている直喩と隠喩をいくつか覚えておくと、いかにも英語を使い慣れた人のように話すことができるので、とても便利です。

下の例文を読んでみてください。普段の会話や英作文の中に入れて使えるか、ちょっと試してみませんか?

“I am rushed for time today.”

“This is the best thing since sliced bread.”

“I try to look on the bright side.”

“It’s the bees’ knees.”

隠喩表現を使うことで、もっとネイティブスピーカーのように話すことができるようになりますし、英語の表現力もぐんと広がること間違いナシです!

Helen Austen