使いこなしたい職業別英語
オフィスという環境で働いたことがある人ならば一度は職業別英語を耳にしたことがあるでしょう。“Buzzwords”(流行語)、“business jargon”(ビジネス専門用語)、“corporate lingo”(企業専門用語)など呼び方は様々ですが、職場以外ではあまり使われなかったり理解されなかったりする単語や熟語のことです。
種類豊富なオフィス用語
どの分野の職業でも職業別英語の活用は好まれるようです。
企業経営者の多くは、その業界や仕事に特化した用語を使用すれば社員を引き込み、やる気にさせることができると信じているからです。そのため、実際の言葉の意味よりも感情や雰囲気を伝えることを重視したボキャブラリーが大量に生み出されてきたのです。
例えば、下記のフレーズは全て社員を活気づけ、前向きに仕事に取り組んでもらうために使用されます。
• “Heads up!”
(注意を促す・警告する)
• “Let’s think outside the box!”
(現存の考え方に捕らわれずに新しいアイデアを発案してみよう)
• “Let’s go forward together!”
(皆で前向きに取り組もう)
このようなオフィス英語には、企業の功績を伸ばそうという経営者や上司の意図が含まれています。
様々なビジネス分野ごとに使う言葉に差があるかもしれませんが、共通の目的で使用される単語や熟語が存在します。今回はマーケティングと金融業、それぞれのオフィス用語をご紹介しましょう。
マーケティングの専門用語
オフィス用語を最初に取り入れたとされるのがマーケティング業界です。
マーケティングでは創造力が重視されます。発想力のある人達が、注目度のある広告キャンペーンを創り上げ、製品の売り上げにつながります。マーケティングの成果によって企業の利益が大きく左右されるため、社員がクリエイティブになれる環境を整えることが重視されるようになりました。
いくら創造力が大事な職場だと言ってもやはり最終目的は製品の売り上げの向上ですから、下記のような用語を用いて自由な発想を促すと同時に社員の気を引き締めていたのです。
• “Blue-sky thinking”
(現存の枠組みに捕らわれない、自由な発想のこと)
• “The hard sell”
(消費者に即購入してもらうための積極的なマーケティング戦略のこと)
• “Ideation”
(新しく効果的なアイデアを発想できる能力のこと)
• “Thought shower”
(社員が集団でアイデアを出し合うこと。信じられないような話ですが、これは実際にビジネス業界で使われている用語です。以前は“brainstorm”という単語が使われていましたが、近年ではこのフレーズが人気なようです。)
金融業の専門用語
金融業界は速いペースと男っぽさがまだ残るのが特徴的なので、金融業界関連の英語もそれを反映しています。伝統的な経済用語も、新たなオフィス英語としてビジネス界のいたるところで受け入れられています。
• “Leverage”(借りたお金で投資するという意味の経済用語)
現在では多くのビジネス分野で“to use”や“to exploit”(~を利用する)と、いう意味で使われています。例えば、“We need to leverage the data”(このデータを活用する必要がある)や“Let’s leverage our expertise”(私たちの専門知識・技術を利用しよう)と言う事ができます。
• “The bottom line”(企業の純利益・損失を表す経済用語)
普通は企業の報告書や決算書の最後の行で見つけるような情報です。現代では物事の最重要点、または問題の核心をつく際に使われます。
例えば、“The bottom line is we need to sell more product”(最も重要なのは売り上げを伸ばすことだ)などと言います。
最新の職業別英語
職業別英語は職場の環境と共に絶え間なく進化しています。例えば、現代のパソコンやインターネットへの依存した働き方がオフィス英語までにも影響を及ぼしています。
今、浸透しているビジネス用語の大半が、パソコン用語やネット上の世界に関連した単語から取り入れられているのです。
• “Take this offline”(周りと繋がっていない所で[話を]してくれ)
誰かに“Can we take this offline?”と聞かれたときには、その物事については今ではなく後で、もしくは非公式に話ができないかと聞かれているのです。
• “Unplug”(電源を切る)
ツイッター、フェイスブック、メール、スマートフォン等を使用した絶え間ないコミュニケーションを一時中断することを意味します。
• “Zero cycles” ([物事を実行できる]サイクルが無い)
パソコンは命令サイクルによって起動しています。誰かが“Sorry, I have zero cycles for this”と言えば、「申し訳ないが、その事に費やする時間はない」という意味です。これもまた、人をパソコンにたとえた表現の仕方です。