英語になった外国語:インド(ヒンディー語)を語源とする英単語


今私たちが使っている英語は、ゲルマン語をベースとしてさまざまな異なった言語(特にフランス語)の影響を受けて作られました。ですから英語には、たいていのものに、最低でも二つの単語が存在する訳です。例えば、‘start’ と ‘commence’‘mutton’ と ‘sheep.’などがあげられます。

ラテン語も英語に影響を与えています。しかし、イギリスが新しい国々に植民地を設け、英語にその新しい言葉を取り入れていったのですから、英語は欲張りな言語だとも言えるでしょう。

インドは、イギリス帝国のもっとも重要な植民地でしたから、インド語を語源とする英語やインド語から引き継がれた単語が、現在一般に英語の中で使用されているのは、それほど驚くべきことではありません。例をみてみましょう。

【インド(ヒンディー語)が語源の単語一例】

  1. Avatar : コンピュータープレーヤーの分身である画像

  2. Bungalow : 一階しかない家

  3. Chintz : 染抜きや柄ものの、光沢のある綿の布

  4. Chutney :フルーツや薬草から作られ、香辛料や他の薬味と混ぜたソースや調味料

  5. Cot : 赤ちゃん用のベッド

  6. Curry : インドのシチューの一種

  7. Dinghy : ボートの一種

  8. Dungarees : 重いデニムのパンツの一種

  9. Jungle : 植物が密集した森林で、多くの場合は熱帯

  10. Juggernaut : 無慈悲で破壊的な、止めることができないと考えられている力

  11. Pundit : 何かを習得した人や専門家で、サッカーの専門家や経済学者によく使われている

  12. Pyjamas : ベッドで着る衣服

  13. Shampoo : 髪の毛を洗う石鹸

  14. Thug : 人々を襲ったり、盗みを働く人

  15. Verandah : 家の正面や側面を取り囲む長いポーチ

しかし時々、‘juggernaut’ という単語のように、ヒンディー語と英語の意味がまったく別の場合もあります。元々の**‘juggernaut’**は、年一回のお祭で巨大な四輪馬車で街を引き回される、崇拝された偶像のことを意味しています。今日私たちが使う英語では、何か大きくて、冷酷で、不可抗力的なものを意味するようになりました。

たいがいの場合は、こういった単語は、いまだにインドやインド文化に関係があるものとして使用されていることが多いです。‘raita’‘roti’ といったインドの食べ物はイギリスのお店でも普通に手に入れることができます。‘guru’ は宗教的な師という意味で、特にヒンドゥー教や、インドで始まった身体的、精神的な運動である‘yoga’ に関係があります。

私の大好きなインドの言葉は、**‘doolally’という単語です。これはちょっと狂気じみた人に使う形容詞です。例えば、あなたが急いでいて、何も見つけることができない時に、自分が“going a little doolally”**だと言うことができます。デオラリはムンバイの近くで、イギリスの兵士たちが駐屯した町ですが、兵士たちはあまりに退屈しすぎてlittle doolally になってしまったのです。つまり、場所を表す単語が英国風に少しづつ意味を変えて、その場所が引き起こした状態を表すようになったのです。

Photo Credit: Tiberio Frascari l Flickr

Helen